バラは公園の育て方と一般家庭の庭の育て方は一緒ではない
ある、公園のバラのセミナーのお知らせを目にして、ちょっと僕の考えを書いておきたいと思ったので書きます。
公園、特に有料のところの管理は、いつ来ても綺麗にしておかなくてはならないのと、さらに、イベントなどを開催するときに、花をたくさん咲かせないと客数が伸びないということ。
そして、昔の菊の展覧会のイメージが頭から離れない職人が残っているのか、秋に展覧会をしなくてはならないと思い込んでいることが多いのかと。
だから、ここ最近、育種家が努力して、春早くから冬の始まりまで咲き、返り咲きの能力を高めた品種を発表しているのに、それを無視したバラの育て方を未だに教えているのです。
バラって、僕の中では、年に1回しか咲かない桜タイプと、年に数回咲くタイプとの2つの分け方なのです。
特に、最近の品種では、年に数回咲くタイプが多いので、春と秋に咲かせるためだけではなく、如何に、花を長い期間で楽しむかということに、育て方をシフトすべきかと思います。
基本的には、いかに効率よく栄養分を蕾をつけさす方向に持っていくかということ。しかも、株の体力を温存しながら。
話は飛んでしまいましたが、年に2回だけにしぼりバラを育てるのは、非常に堅苦しく、バラの花への愛着を捨てさせる行為をしなくてはなりません。
しかも、返り咲きの性能が高い、最近の品種では、逆に手がかかるといった現象も出てくると思います。
だから、僕は、夏の剪定はどうしたら良いかと訪ねられたときや、バラは春と秋なんですよねという話を聞いたときには、話が長くなりますが、品種の歴史やなぜ春と秋になったかの背景の話から入って、自分の庭でもそんなことをするのでしょうか?という流れでお話させてもらっています。
僕の庭でも、二番花が咲き始めようとしていますが、最近の品種では年に5回程度返り咲きしますので、品種が30ちょっとしかない僕の小さな庭でも、9ヶ月程度なにかしら庭にバラが咲いている状態が続くのです。
それを年に2月程度しかバラを咲かせない庭にするのって、いかが思いますか?
僕は、育種家の努力と、バラの花をいつも感じていたい方への思いへの冒涜としか思えません。
だれも、花が咲かないバラを鑑賞するためにバラを育てているのではないのですから。